眠りの質を上げる夕方からの三つの習慣
夜中に目が覚めてしまう、寝つきが悪い…そんな時は、夕方の過ごし方を少し見直してみませんか。
公開日: 2026年6月13日
夜中に何度か目が覚めてしまう、朝までぐっすり眠れない、寝つくまでに時間がかかる――年を重ねると、こうした眠りの悩みがどなたにも起こりやすくなります。「年だから仕方がない」と諦めてしまう前に、ぜひ見直していただきたいのが、夕方からの過ごし方です。眠るのは夜ですが、よい眠りを準備するのは、実は夕方の数時間。今日からできる、ささやかな三つの習慣をご紹介します。
一つ目:午後三時を過ぎたら、お茶やコーヒーをひかえる
意外と見落とされがちなのが、夕方のカフェインです。お昼の食後に飲んだ一杯のコーヒーや、おやつの時間の濃い緑茶。これらに含まれるカフェインは、思った以上に長く体のなかに残ります。一般的に、年齢を重ねるほどカフェインの分解に時間がかかると言われており、三時に飲んだ一杯が、夜の寝つきにじわじわと影響することもあるのです。
目安としては、午後三時を過ぎたら、玉露や濃い緑茶、コーヒー、紅茶はひかえめに。代わりに、麦茶、ほうじ茶、白湯、ハーブティーなど、カフェインの少ない飲みものに切り替えてみてください。それだけでも、夜の眠りが浅くなる原因のひとつが取りのぞけます。
夕方からの飲みもの、こんなものがおすすめです。
- 麦茶、ほうじ茶、玄米茶など、カフェインの少ないお茶
- 白湯、温かいお湯
- カモミール、ルイボスなどのハーブティー
- 黒豆茶、そば茶などの穀物茶
- お湯で薄めたしょうが湯やはちみつ湯
「夜にぐっすり眠るための、夕方からのお茶」と思って選ぶと、自然と体にやさしいものに手が伸びるようになります。
二つ目:夕方の散歩で、ほのかな疲れを引き出す
一日じゅう家のなかで過ごしていると、体が「動いた」という実感が薄く、夜になっても目がさえてしまうことがあります。これを防ぐのに、いちばん手軽でいちばん効くのが「夕方の散歩」です。
夕食前の三十分、できれば日が沈む少し前に、ご近所を一周ぐるりと歩いてみる。コースは決めなくてかまいません。ポストに郵便を出しに行く、公園のベンチまで歩いてみる、お孫さんが通った小学校の前を通ってみる――それくらいの軽さでじゅうぶんです。歩くと、ほどよい疲れが体にたまり、夜にすっと眠りへ入っていけます。
また、夕方の光を浴びることで、体内時計が「もうすぐ夜ですよ」と整ってくれる効果もあるとされています。むずかしい話は抜きにしても、お日さまの色が変わっていく時間を歩くのは、なんとなく心まで落ち着いてくるものです。雨の日や暑い夏は無理をせず、お家のなかでテレビ体操をしたり、椅子に座って足踏みをしたり――軽い動きでも代わりになります。
三つ目:寝る一時間前から、灯りをひとつ落とす
三つ目は、寝る一時間前からの「灯りの調整」です。テレビをつけたまま、明るい蛍光灯のもとでお茶を飲み、そのままお布団に入る――これでは、頭がまだ昼間のままです。眠るための準備として、寝る一時間前から、お部屋のあかりをひとつ落としてみてください。
天井の蛍光灯を消して、テーブルの上のスタンドライトひとつだけにする。あるいは、リビングの蛍光灯を「電球色」のあたたかい光に切り替える。これだけで、お部屋の雰囲気がぐっとやわらぎ、体も「そろそろお休みの時間ですよ」と教わるようになります。
テレビやスマートフォンの強い光も、眠りの少し前にはお別れしておきたいもの。眠る直前まで番組を見ていた日と、寝る三十分前にテレビを消してラジオに切り替えた日では、寝つきが違うはずです。読書、編み物、湯のみを傾けながら一日を振り返る――そんなゆるやかな時間が、よい眠りへの架け橋になります。
- 寝る一時間前に、お部屋の灯りをひとつ落とす
- 蛍光灯より、電球色の暖かいあかり
- テレビは寝る三十分前に消す
- 代わりにラジオや音楽を、小さめの音で
- 読書、編み物、日記など、しずかな時間を
強い光を浴び続けると、体は「まだ起きていてよい時間」と感じてしまう、と言われています。お部屋のあかりを少し変えるだけで、自然と眠気が忍び寄ってくるはずです。
眠りの質を上げるのは、寝る瞬間ではなく、その前の数時間にあります。夕方のお茶を麦茶に変えて、夕食前にひと回り歩いて、寝る一時間前に灯りを落とす――この三つの小さな習慣だけで、夜の眠りはふしぎと深くなるものです。すべてを一気に始める必要はありません。今夜は灯りだけ、明日は散歩から、というふうに、できることひとつから始めてみてください。
それでも眠りの悩みが続く場合は、無理せずかかりつけのお医者さんにご相談を。「年だから」と片づけずに、相談できる窓口があると思うだけで、心も軽くなります。眠れない夜は誰にでもありますが、毎晩のように眠れないなら、何らかのお知らせかもしれません。ご自身の体と相談しながら、心地よい眠りを、少しずつ取り戻していきましょう。
そして、もし夜中にふと目が覚めてしまっても、あまり気にしすぎないことです。「また眠れない」と焦ると、かえって目がさえてしまうもの。一度起きてお手洗いに行き、白湯をひと口飲んで、またお布団にもどる――そんなゆるい付き合い方ができると、夜中の目覚めも怖いものではなくなります。あなたなりのおだやかな夜のリズムが、これからの暮らしを、しずかに支えてくれるはずです。