LINEのスタンプ、はじめて送れた日のこと
はじめてスタンプを送ったとき、画面の向こうで娘が笑った気がしました。ちいさな成功体験が積み重なる、スマホとのつきあい方のお話です。
公開日: 2026年5月21日
「LINE(ライン)」というアプリで、絵やイラストをぽんと送れる「スタンプ」というものがあります。お孫さんやお子さんから「これ、使ってみて」とおすすめされた経験のある方も多いのではないでしょうか。文字を打つよりずっと早く、気持ちが伝わる便利な道具なのですが、はじめはどこを押せばよいのか、まったくわからないものです。
はじめての一回が、いちばん大変
文字を打つキーボードのほかに、にこにこした顔のマークがあって、そこを押すとずらりとスタンプが並ぶ――そう聞いても、画面のどこにあるのかすら見つけられない日もあります。さきに分かっている人にとっては当たり前でも、はじめての方には、まるで暗号を解くような気分です。
そんなときは、ご家族にこんなふうに教わるのが、いちばんの近道です。
- 画面の下にある、四角い枠の右がわをそっと押す
- 顔のマーク(😊)を、もう一度ゆっくり押してみる
- 並んだ絵のなかから、好きなものをひとつ選ぶ
- 選んだら、右の「紙ひこうき」のマークで送る
一度通った道は、ふしぎと体が覚えていきます。三回くらい同じ手順を繰り返してみると、四回目には、ご自分でも驚くほどするりとできるようになるものです。
ちいさな成功体験を、ひとつずつ
それでも、根気よく押し続けていると、ある日ぽんと「ありがとう」のクマのスタンプが送れたりするのです。画面の向こうで、娘や息子、お孫さんが笑ってくれているような気がして、思わずこちらも笑顔になります。長い文章を打つよりも、ずっと早く、ずっと気持ちが届く――そんな不思議さがあります。
うまくいかない日があっても、だいじょうぶ。一度送れた経験は、しっかり手のなかに残ります。慣れてきたら、こんな楽しみ方もあります。
- 季節のスタンプを、お便りの代わりに送る
- お孫さんと、スタンプだけでやりとりする
- 気に入ったスタンプを、いくつか集めてみる
- 「無料スタンプ」を、ときどきのぞいてみる
「スタンプを買う」という言葉も、最初は不思議に聞こえます。けれど、お気に入りを少しずつ増やしていくのは、子どものころの切手集めのような楽しみもあって、ふしぎと愛着がわいてくるものです。
スタンプの「ありがとう」を、自分流に
LINEのスタンプを使い慣れてくると、ふしぎなことに、自分なりの「いつものスタンプ」ができてきます。返事に困ったときの一枚、感謝を伝えたいときの一枚、家族にだけ送る秘密の一枚――そんなふうに少しずつ顔ぶれが決まってくると、なんだか文房具を選ぶような楽しさがわいてきます。
使い方になれてきた方は、ぜひ「自分らしい一枚」を探してみてください。新しいスタンプは、お孫さんに「これ、おばあちゃんに似合いそう」と教えてもらうのも楽しいですし、無料スタンプの中から、季節に合うものを少しずつ集めてみるのもひとつの方法です。
よく使うスタンプには、こんな顔ぶれがあると便利です。
- 「ありがとう」を伝えるスタンプを、ひとつ
- 「了解」「OK」のかわりになる、軽いひとこと
- 「お疲れさま」をねぎらう、夕方向きのスタンプ
- 「おやすみ」「おはよう」のあいさつ用に、一組
- 誕生日や季節の挨拶に使える、お祝いのスタンプ
スタンプは「うまく文字を打てない」を補ってくれる、心強い味方です。長い文をどう書こうかと迷うより、ぽんと一枚送るほうが、ずっと早く気持ちが伝わることもあります。気がねなく、ご自分のペースで使えばじゅうぶんなのです。
スマホとつき合っていると、ふと「失敗するのが怖い」と感じることがあります。間違えて変なものを送ってしまったらどうしよう、知らない人とつながってしまったらどうしよう――そんな不安がよぎる方もいらっしゃいます。けれど、ちょっとした失敗はいつでも取り消せますし、誰かに迷惑をかけてしまった、と思うほどのことは、まず起きないのです。
わからないことがあれば、お子さんやお孫さんに「これ、どうやるの?」と聞いてみる。それだけでも立派なやりとりですし、相手にとっては、頼られた喜びになります。教えてくれた手順は、その場でメモに書きとめておきましょう。次に同じことで困ったときに、ぐっと心づよい一枚のお守りになってくれます。
わからないところは、メモに書き出してから、お孫さんに尋ねてみるのもひとつの方法。「ここまではできた、ここから先が分からない」と整理されていれば、教える側にも伝わりやすくなります。あとから振り返ったときに、ご自分がどれだけできるようになったかを実感できる、ちょっとした成長記録にもなります。
スタンプ一つ、写真一枚。ちいさな成功体験を積み重ねながら、スマホとゆっくり仲よくなっていけば、それでじゅうぶんなのです。「うまくできない」と落ちこむ必要はありません。誰だって、最初は「はじめての日」を持っていました。きょうもまた、お孫さんに「ありがとう」のクマを、ひとつだけ。そのひとつが、明日のあなたのちいさな自信に変わっていきます。