子ども家族を迎える日のしたく
お正月や盆休みに帰ってくる子ども家族。むりせず、楽しみが残るおもてなしのバランスをご紹介します。
公開日: 2026年6月18日
お盆、お正月、ゴールデンウィーク――そんな節目に、お子さん家族が帰ってくる。久しぶりに会える嬉しさは、何ものにも代えがたいものです。けれど、その喜びと表裏一体で、お迎えの準備の疲れもまた、年々こたえるようになってきます。「今年こそは無理せずに」と心に決めても、ふたを開けてみればやっぱりへとへとに――。今日は、ご自身の体を大切にしながら、それでも子ども家族を笑顔で迎えるための、ささやかな段取りのお話です。
やらない・買わない・頼むの三つを決めておく
お迎えの疲れを減らす、いちばんの近道は、「すべてを完璧にやろうとしない」と心に決めることです。むかしは、お正月もお盆も、おせちもお雑煮もお煮しめも、すべてご自身の手で用意されたかもしれません。それは、その時のあなたの体力と気力があってこそ。今のお体に合った「やる量」を見直してよいのです。
あらかじめ「やらないこと」「買ってすませること」「子どもや孫に頼むこと」の三つを決めておくのがおすすめです。たとえば、お煮しめは作るけれど、栗きんとんはスーパーで買う。お赤飯は炊くけれど、お刺身はお寿司屋さんに頼む。お風呂掃除は、上の孫に頼んでみる――そんなふうに、自分の手元に残す仕事を、いまの体に合った量に減らしておく。
「やらないこと」を決めるときの目安は、こんなところです。
- 去年、いちばん疲れた料理や仕事はなんだったか
- ご家族が「これは買ってきていいよ」と言ったものは何か
- 下準備にいちばん時間がかかるものは、思いきって省く
- お風呂掃除や布団敷きは、若い世代に任せる
- 全員の食事を一気に作らず、何回かに分けて出す
「やらない」と決めるのは、決して手抜きではありません。長くお元気で、また来年も笑顔でお迎えするための、大切な判断です。
お料理は、半分作りおき・半分その日に
お子さん家族が来る日、いちばん体力を使うのが食事の用意です。これを楽にするコツは、「半分は作りおき、半分はその日に」のリズムをつくることです。
前日までに作っておけるものは、煮物、おひたし、お漬物、デザートのゼリーなど。これらは冷蔵庫で半日二日もつので、当日の朝にあわてずに済みます。一方で、お刺身、揚げもの、お吸いもの、ご飯――これらは当日にしか作れないので、前日のうちにまな板や器、調味料を出しておく。準備の半分が前日に終わっていれば、当日はずいぶん気が楽になります。
また、当日にお迎えしてから「お茶でも入れましょうか」と急ぐ前に、ペットボトルのお茶や、麦茶のポットを冷蔵庫に冷やしておくと安心です。お孫さんは、ジュースより冷たい麦茶を好まれることも多いもの。「うちのおばあちゃんの麦茶はおいしい」と、お孫さんが大人になっても覚えていてくれる――そんな思い出にも、なるかもしれません。
簡単に出せて喜ばれる、お迎えの食卓の知恵をいくつかまとめてみます。
- お赤飯やちらし寿司は、前日の夜に仕込んでおく
- お煮しめ、おひたしは前日に作って冷蔵庫へ
- お刺身やお寿司は、近所のお店に予約しておく
- デザートはゼリーや水ようかんなど、買えるもので
- 朝ごはんは、簡単な和定食やパン、ヨーグルトで
- お茶やジュースは、冷蔵庫に多めに冷やしておく
お料理は、おもてなしの中心ではあるけれど、すべてではありません。大切なのは、ご家族と一緒の時間そのものですから、力を入れすぎないことです。
ひとり時間と、休息の時間も忘れずに
子ども家族が来ているあいだ、お話の輪に入って、お孫さんと遊んで、お料理を出して――気がつくと、お昼から夜まで休まずに動いているということもあります。にぎやかな時間は嬉しい一方で、ご自身の体は、ふだんよりずっと疲れています。
「ちょっとお昼寝してくるね」「お茶を入れに台所にいるから、みなさんゆっくりしていて」――そんなふうに、ひとりで休む時間を意識して取ってください。お子さんやお孫さんも、ご自身の親や祖父母が「無理して笑っている」のは、本当はうれしくありません。ゆっくり座ってお茶を飲んでいる姿のほうが、ご家族の安心になります。
もし、お泊まりの場合は、夜のおふとんやお風呂の段取りも、若い世代に頼んでみてください。「自分でやるからね」と若いお母さんに伝えれば、たいてい喜んで動いてくれます。「おばあちゃんは座ってて」と言われたら、素直に座る。それも、家族の関係を心地よく保つ知恵のひとつです。
子ども家族をお迎えする日は、ご自分にとっても特別なごほうびの時間です。お料理を完璧に並べることよりも、笑顔でお迎えして、笑顔でお見送りすること。そのために、無理をしない準備を、少しずつ整えていきましょう。今年の集まりが、来年もまたみんなで集まりたいと思える、あたたかなひとときになりますように。
そして、子ども家族が帰ったあと、しばらく抜け殻のような気持ちになる――それも、よくあることです。にぎやかさが消えた家のなかは、ふだんよりずっと静かに感じます。お疲れの体をゆっくり休めて、お風呂につかって、ふだんの自分のリズムにそっと戻していってください。次の集まりまでの日々もまた、ご自身のための大切な時間です。