椅子に座ったままできる足腰の体操
立ち上がりが少しおっくうに感じる日もありますね。椅子に座ったまま、テレビを見ながらできる簡単な足腰の動きを集めました。
公開日: 2026年6月3日
朝、ふと立ち上がる瞬間に「よっこいしょ」と声が出てしまう――そんな日が増えていらっしゃるかもしれません。足腰の力は、目に見えないところで少しずつ衰えていきます。けれど、ジムに通ったり、特別な運動着を用意したりしなくても、椅子に座ったままでできる体操で、しっかり鍛えられるのです。テレビを観ながら、お茶を飲んだあとに、ほんの五分ずつ。今日からはじめられる、無理のない足腰の動きを集めてみました。
もも上げ運動、太ももをあげるだけで
いちばん手軽で、いちばん効果的なのが「もも上げ」です。椅子にしっかりと腰かけて、背すじをすっと伸ばす。そのまま片方のひざを、ゆっくりと胸のほうに引き上げて、三秒ほどとめてから、しずかにおろす。これを交互に十回ずつ。たったそれだけで、太ももの前側の筋肉と、お腹のなかの筋肉がしっかり目を覚まします。
ポイントは、勢いをつけずに、ゆっくり上げて、ゆっくりおろすこと。「いち、にい、さん」と心のなかで数えながら、上げる三秒、おろす三秒。呼吸を止めず、ふっと息を吐きながらおろすと、より楽に続けられます。
もも上げ運動は、太ももの筋肉だけでなく、歩くときに足を持ち上げる力を養ってくれます。つまずきにくくなる、転びにくくなる――そんなしずかな効き目が、毎日の積み重ねで現れてきます。
- 椅子に深く座って、背もたれから少し離れる
- 両足の裏は床にぴたりとつける
- 片方のひざを、ゆっくり胸のほうへ
- 三秒キープして、しずかにおろす
- 左右交互に、各十回ずつから
- 息は止めず、おろすときに「ふぅ」と吐く
最初は十回でも疲れるかもしれません。それでじゅうぶんです。慣れてきたら、十五回、二十回と少しずつ増やしていけばよいのです。
つま先・かかと上げ、ふくらはぎを目覚めさせる
もうひとつ、ぜひ取り入れていただきたいのが「つま先・かかと上げ」です。椅子に座って両足を床につけたら、まずかかとをぐっと上げて、つま先で床を押す。三秒キープしてからおろし、今度はつま先を上げて、かかとで床を押す。これを交互に繰り返します。
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれていて、足にたまった血液を、しずかに心臓へ戻してくれる役目があります。長く座っていると足がむくみやすい方や、夕方になると靴下のあとがくっきり残るような方には、とくにおすすめの動きです。
テレビのコマーシャルのあいだだけ、と決めて、十五秒ずつ続けてみてください。一日に三、四回繰り返せば、夕方の足の重さがずいぶん違ってくる方も多いはずです。
足ふみ運動、テレビを観ながら散歩気分
雨の日や、外に出るのがおっくうな日にぴったりなのが、椅子に座ったままの「足ふみ運動」です。両手を太ももに添えて、左右交互に、その場で足踏みするように、ゆっくり太ももを上げ下げします。歩く動きとほぼ同じですから、お部屋にいながら散歩気分を味わえます。
テレビの番組ひとつ分、と決めて、CMのあいだだけ続けるのもおすすめです。一回三十秒から始めて、慣れてきたら一分、二分と伸ばしていく。汗ばむほどがんばらず、お茶を飲む合間にちょっと、というくらいのゆるさが、長続きの秘訣です。
足ふみのあいだ、両手を軽く前後にふってみるのも気持ちのいい動きです。腕も自然と動き、肩のこわばりがすっと抜けます。手と足が一緒に動くと、頭にも血が巡って、なんとなく目もはっきりしてくる――そんな副産物もうれしいところです。
- 両手を太ももに、軽くそえて
- 左右の足を、その場で交互に踏みかえる
- 三十秒から、慣れたら一分、二分と
- テレビのCMタイムにぴったり
- 両手も前後にふると、肩がほぐれる
- 汗をかくほどはがんばらない
ご自分のペースで、お茶を飲むように軽い気持ちで取り入れてみてください。
椅子に座ったままの体操は、特別な道具もいらず、お天気にも左右されず、自分のペースで続けられる、いちばん心強い味方です。一日に五分でも、十分でも、毎日続けることが何よりの薬になります。「今日はもも上げ十回だけ」「今日はかかと上げを三十秒だけ」――少なくてもいいのです。続けるご自分を、しずかに褒めて差し上げてください。何より大切なのは、急がず、休まず、ご自分の体と相談しながら、ゆっくりと続けていくこと。三か月、半年、一年と続けていくと、不思議と階段の上り下りが軽くなったり、外出先で歩く距離が伸びていたりするものです。明日のための足腰は、今日のお茶のあとの五分が、しずかに育ててくれます。テレビを観ながら、お湯がわくあいだに、ほんの少しだけ。今日からはじめてみませんか。
もし体操の最中に、痛みやしびれを感じたら、無理をせず、その動きはお休みしてください。とくに膝や腰に持病をお持ちの方は、かかりつけのお医者さんに「こんな運動をしてもよいですか」と一度ご相談されると安心です。動かす量よりも、毎日少しずつ続けることのほうが、ずっと大切。痛い日はお休み、調子のいい日はもう一セット――そんなふうに、体と相談しながら歩んでみてください。
そして、お風呂のあとや、朝の身支度のあいだに体操の時間を「組み込んでしまう」のもおすすめです。「お風呂上がりにかかと上げを十回」「朝の歯みがきのあいだに足踏みを三十秒」――習慣にしてしまえば、頑張らなくても続けられる、それが日々の積み重ねの不思議な力です。