位置情報って何のこと?
「位置情報を許可しますか」と聞かれて、毎回どきっとする方も多いはず。何を伝え、何を断ってよいか、やさしくほぐしてみます。
公開日: 2026年9月8日
スマホでアプリを開いたり、地図を使ったりする時に、「このアプリは、あなたの位置情報を取得しようとしています。許可しますか?」というメッセージが出てきて、ちょっとどきっとされた経験はありませんか。「許可」を押すと何が起こるのか、「拒否」を押すと使えなくなってしまうのか――よくわからないままに、なんとなく「許可」を押してしまっている方も多いはずです。今日は、スマホの「位置情報」というものについて、難しい言葉を使わずに、ゆっくりとお話ししてみたいと思います。
位置情報とは「今いる場所」がスマホに分かるしくみ
「位置情報」というのは、ひとことで言えば「いまあなたがどこにいるか」をスマホが知っている、というしくみのことです。スマホには、GPS(ジー・ピー・エス)という、宇宙にある人工衛星と交信して場所を割り出す機能がついていて、これを使うことで、地図のうえに「いまあなたはここ」と表示できるのです。
便利な機能なのですが、心配されるのは、「いつでもどこかから見られているのではないか」という気持ちかと思います。実際には、スマホの位置情報は、あなたが「この場所を使いたい」と許可したアプリにだけ、限定的に伝わるしくみになっています。たとえば、地図アプリには「いま自分はここにいる」と知らせる必要があるので位置情報が使われますが、写真の編集アプリやゲームアプリには、必ずしも必要ありません。「どのアプリに、どれだけ位置情報を渡すか」――それを、ご自分でコントロールできるしくみが、スマホの設定の中に用意されているのです。
位置情報を「許可」してもよい場面の例をまとめました。
- 地図アプリやナビゲーション(知らない場所への道案内)
- 天気予報アプリ(いまいる地域の天気を表示)
- タクシーや配車アプリ(自分の場所を伝える必要があるとき)
- 家族との位置共有アプリ(離れて暮らす家族の安心のため)
- 緊急SOSアプリ(救急の方に場所を伝えるため)
「許可しない」を選んでも、たいてい大丈夫
もし、メッセージが出てきて、「許可」か「拒否」のどちらにしようか迷ったら、まず「許可しない」を選んでも、多くの場合は大丈夫です。アプリは位置情報を使えないまま動きますが、ふつうのお買い物や写真の整理など、位置情報が必要ない機能は問題なく使えることがほとんど。「あれ、何か不便だな」と感じたときに、改めて設定を見直して「許可」に変える――そんな順番で大丈夫です。
あるいは、もう少し細かく、「使用中のみ許可」という選択肢が出ることもあります。これは、「アプリを開いて使っている時だけ、位置情報を渡す」というもの。たとえば、地図アプリを開いて道を調べている時だけは位置情報を使い、アプリを閉じたら位置情報の取得もやめる、というしくみです。これが、いちばんバランスのよい設定だと言われています。「常に許可」を選ぶと、アプリを使っていない時もずっと位置情報が伝わり続けてしまうので、「使用中のみ」を選んでおくと安心です。
位置情報を、ふだんから「オフ」にしておくこともできる
「とにかく心配だから、位置情報そのものを止めておきたい」という方は、スマホの設定画面で、位置情報そのものを「オフ」にすることもできます。設定アプリを開いて、「位置情報サービス」や「位置情報」という項目を探し、スイッチを「オフ」にする――これだけで、すべてのアプリへの位置情報の提供が止まります。
ただし、ふだんから完全にオフにしておくと、地図やナビが使えなくなってしまうので、必要な時だけ「オン」にする、という使い方がおすすめです。お孫さんに教わりながら、設定画面の出し方を覚えておくと、いざという時に役立ちます。スマホの機種によって設定の名前は少しずつ違いますが、「位置」「ロケーション」「GPS」などのキーワードがあれば、それが位置情報の設定です。最初は迷うかもしれませんが、お子さん家族やお孫さんに「位置情報のオンとオフ、どこで切り替えるの?」と聞けば、丁寧に教えてくれるはずです。
家族との「位置共有」、安心と心配のあいだ
最近では、離れて暮らすご家族と、お互いの場所を共有できるアプリも増えてきました。「親が一人暮らしで心配だから、お互いに位置がわかるようにしている」というご家族の声を、よく聞きます。これは、家族のあいだだけで使う限り、とても便利な使い方です。お子さん家族から「お母さん、たまに位置を確認させてね」と提案されたら、嫌でなければ受け入れてみる、というのも、新しい時代の安心の形かもしれません。
ただし、こうした位置共有を許可するのは、信頼できるご家族・ご親族の範囲だけにしましょう。スマホをよく知らない方が「これ便利だから入れて」と勧めてきても、ちょっと立ち止まって、ご家族に相談してから判断するのが安心です。位置情報は、悪意のある相手に渡ってしまうと、ご自宅の場所や日々の行動が知られてしまう可能性もあります。ご家族のあいだの「やわらかい安心」のために使う、というのが、いちばんの活用法です。
スマホの位置情報は、難しいことではなく、「いつ、誰に、自分の場所を知らせるか」を、ご自分でコントロールするしくみだと思っていただければ大丈夫です。むずかしく感じる方は、お孫さんやお子さん家族に「私のスマホ、位置情報どうなってる?」と聞いてみるところから始めるのがおすすめです。安心して使える設定にしておけば、地図アプリやナビは、思っている以上に頼れるお供になってくれます。次の旅行の時、知らない街でも迷うことなく目的地にたどり着ける――そんな安心を、ぜひ味わってみてください。
写真にも位置情報がついている、ということ
もうひとつ、知っておいていただきたいのが、スマホで撮影した写真にも、撮った場所の位置情報が自動的に記録されている、というしくみです。お料理や景色の写真を撮ると、その写真の「情報」のなかに、撮った場所の住所までさりげなく記録されているのです。ご自宅のなかでお花の写真を撮ったら、その写真にはご自宅の場所が記録されている、ということになります。
これは、後から「あの旅行先で撮った写真」と検索できる便利な機能でもあるのですが、お知り合いではない方にうっかり送ったり、SNSにそのまま投稿したりすると、ご自宅の場所が知られてしまう可能性があります。ご家族やお友達など、信頼できる方にだけ送る分には心配ありませんが、見知らぬ人とつながるSNSに投稿する時は、「位置情報を削除してから投稿する」設定にしておくと安心です。最近のスマホには、「投稿時に位置情報を含めるか含めないか」を毎回選べる機能があります。お孫さんやお子さん家族に「写真の位置情報、消す設定にしたいの」と聞いてみると、教えてくれるはずです。便利さと安全のバランスを取りながら、スマホと長くおつきあいしていただけたらと思います。
スマホとのおつきあいで大切なのは、「知っていて使う」ということです。位置情報のしくみを知らずに使うと、不安だけが先に立ってしまいますが、しくみを知って、自分でコントロールできるという自信が持てれば、安心して便利な機能を活用できます。「これは便利、だから使う」「これは少し心配、だから控える」――そんなふうに、ご自分なりの基準で選べるようになると、スマホはぐっと頼れる相棒になっていきます。難しく感じる時は、ぜひ周りの方を頼ってください。一人で抱え込まず、一緒に考えてくれる人を持つことが、安心して使い続けるためのいちばんの秘訣です。