電気代があがる季節、見直したい三つのこと
冷暖房の使い方を少し変えるだけで、ひと月の電気代が変わってきます。我慢ではなく、心地よさを保ったままできる工夫をご紹介します。
公開日: 2026年9月10日
九月に入ると、まだまだ蒸し暑い日が続いていますが、夜にはほんの少しずつ秋らしい風が吹くようになりました。エアコンの設定温度を変えたり、扇風機を片づけたり――気がつくと、家のなかの電気の使い方も変わり始める時期です。電気代の請求書を見て、「あら、思ったよりかかっていたのね」と驚かれた経験は、どなたにもおありかと思います。テレビのニュースでも、電気代の値上がりについて耳にする機会が増えました。けれど、心配しすぎることはありません。無理な我慢ではなく、ちょっとした工夫で月々の電気代をやさしく見直す方法があります。今日は、心地よさを保ったままできる、見直しの三つのコツをご紹介します。秋の入り口に、家のなかをぐるりと見回しながら、ご自分のペースで試してみていただけたらと思います。
エアコンと冷蔵庫、二つの「働きもの」を整える
家庭の電気代のなかで、大きな割合を占めているのが冷蔵庫とエアコンの二つです。一年中ずっと動いている冷蔵庫は、いわば家のなかで最も勤勉な働きもの。中身がぎゅうぎゅうに詰まっていると、冷気がうまく回らず、余分な電気を使ってしまいます。逆に、温度設定を「強」のままにしておくのも考えもの。中身の量と季節に合わせて、「中」または「弱」に切り替えるだけで、月々の電気代がじわりと変わってきます。冷蔵庫の背中側や横は、壁から少し離してあげると、こもった熱を逃がすことができて、効率もよくなります。
エアコンの場合は、設定温度を一度変えるだけで、消費電力がかなり違ってきます。冷房なら一度上げる、暖房なら一度下げる――その上で扇風機やサーキュレーターを併用すると、体感温度はほとんど変わらず、心地よく過ごせます。フィルターのお掃除もとても大切です。ホコリがたまったまま動かしていると、効きが悪くなり、余計な電気を使ってしまいます。月に一度、お掃除機でさっと吸うだけで、見違えるほど効率がよくなります。冷暖房を切り替える季節の節目には、内側の汚れの点検もあわせて行うと、より長く気持ちよく使えます。
毎日の暮らしのなかで、今日からはじめられる小さな工夫をまとめました。
- 冷蔵庫の温度設定は「中」または「弱」に
- 冷蔵庫の中身は七割ほどに抑え、冷気の通り道を確保する
- エアコンの設定温度を一度だけ調整、扇風機と併用する
- フィルターは月に一度、掃除機で軽く吸い取る
- 暑い・寒い日は、カーテンの開け閉めで外気をやわらげる
待機電力、見えない電気のお話
電気代を見直すうえで、もうひとつ意識したいのが「待機電力」というものです。テレビやレコーダー、電子レンジ、温水洗浄便座――電源を切っていても、コンセントにつながっているだけで、わずかに電気を使い続けています。一台あたりの量は小さくても、家じゅうのすべてを合わせると、月に数百円分ほどになることもあります。「使っていないのに電気を取られている」と聞くと、なんだか気になりますね。
ふだん使わない家電は、思いきってコンセントを抜く、または個別スイッチ付きの電源タップを使うのも一つの手です。ただし、ご年配の方が無理に抜き差しを繰り返すと、コンセントがゆるんだり、足元のコードでつまずいたりする心配もあります。安全に整えるなら、テレビまわりや書斎まわりなど、一か所だけ電源タップにまとめておくと管理が楽になります。お孫さんやお子さん家族に手伝ってもらいながら、無理のない範囲で整えてみてはいかがでしょうか。
契約プランの見直しで、無理せずもう一歩
最後にご紹介したいのが、電力会社の契約プランの見直しです。実は、ご家庭の電気の使い方によって、最も合うプランは違ってきます。日中に多く電気を使うお宅と、夜にお家に居ることが多いお宅では、適したプランが変わってくるのです。長年同じプランのままだと、ご自分の暮らしに合っていないことに気づかないままになりがちです。
詳しくは、電力会社のホームページや、お住まいの地域の窓口に相談してみるのが一番安心です。お電話で「いま、どんなプランがあるか教えてください」と伝えれば、丁寧に案内してもらえます。ご家族やお孫さんに、いまの請求書を見せて一緒に検討してみるのもよいでしょう。お一人で抱え込まず、信頼できる相手と一緒に見直すことが、安心して節約を続けるためのいちばんの近道です。最近では、シニア向けのお得なプランを用意している会社もありますので、ご自分のお住まいの地域でどんな選択肢があるか、ゆっくり調べてみてもいいですね。
季節ごとの「ひと工夫」、夏と冬の備え方
電気代は、季節によって大きく波があります。とくに、夏の冷房と冬の暖房を多く使う時期は、月々の請求書がぐっと増えがちです。季節の変わり目に、ちょっとした工夫を取り入れておくと、季節のピーク時の電気代を抑えることができます。たとえば、夏の冷房であれば、すだれや遮光カーテンで日差しを和らげてからエアコンをつけると、設定温度を高めにしても十分に涼しく感じられます。冬の暖房であれば、窓際の冷気を防ぐためにカーテンを長めにする、厚手のカーテンに替える、すきま風を防ぐテープを貼る――そんなアナログな工夫が、エアコンや石油ストーブの負担を大きく減らしてくれます。
また、暖房器具の使い分けも大切なポイントです。一日中いる居間ではエアコンや石油ファンヒーター、寝る前のひとときはこたつや電気毛布、お風呂上がりにはセラミックヒーター――場面ごとに小さな暖房を上手に組み合わせると、家全体の暖房効率がよくなります。最近は、足元だけを温める小型の暖房器具も増えています。「家じゅうを暖めなくていい場面では、自分の周りだけを温める」――そんな小さな心がけが、月々の電気代の差につながります。
もうひとつ、忘れがちなのが照明の使い方です。蛍光灯から LED への切り替えは、初期費用はかかりますが、長い目で見れば電気代もぐっと安くなりますし、電球の寿命も格段に長くなります。一度替えれば十年近くもつ LED もありますので、今後の手間の減らし方としても、心強い選択肢になります。トイレや廊下など、人が通った時だけ点くセンサーライトに切り替えるのもおすすめです。これは、ご家族が夜中にお手洗いに立つ時の安全面でも、とても助かるしくみです。電気代の節約と安全の両立――そんな一石二鳥の見直しが、暮らしのあちこちにかくれています。
電気代の見直しは、我慢ではなく、心地よさを保ったままできる工夫の積み重ねです。冷蔵庫とエアコンの整え方、待機電力の見直し、契約プランの確認、季節ごとの工夫――こうした小さな積み重ねで、家計にやさしい暮らしへと、少しずつ近づいていきます。一気にすべてを変えようとせず、今日はエアコンの設定だけ、明日はコンセントを一か所だけ――そんなふうに、ゆっくり進めていけばじゅうぶんです。秋の入り口、家のなかをぐるりと見回しながら、ご自分のペースで一つずつ試してみていただけたらと思います。お孫さんやお子さん家族と一緒に「節約のアイデア交換」をしてみるのも、世代をまたいだ家族の楽しみになりますね。電気との上手なつきあい方を見つけていく時間は、暮らしを見直すひとつのきっかけにもなります。「今月はちょっと工夫してみたわ」と感じられる日が増えていくと、それ自体が小さな達成感につながり、毎日の暮らしに張りが生まれます。